ジインドリルメタン(DIM)は構造がメタン基に結合したインドール基を2つ持つことから命名された分子です。ブロッコリーなどのアブラナ科の植物に豊富に含まれており、抗癌作用やホルモンバランスの調整作用が示唆されている物質です。

概要

重要な効果・情報

ジインドリルメタン(DIM)は、キャベツ、芽キャベツ、カリフラワー、ブロッコリー、ケールなどのアブラナ科の植物に見られるインドール-3-カルビノール (I3C)という成分です。エストロゲンの大幅な増加や減少を防止することによって、エストロゲン代謝に強い影響を及ぼし、身体をホルモンバランスの維持に役立ちます。少量の場合は、アロマターゼ酵素を阻害しテストステロンがエストロゲンへ変換されるのを妨げると同時に、活性の高いエストロゲンに作用しエストロゲンを活性の低い形態に変換し、体内のエストロゲンの影響を低下させることが示唆されています。しかし、高用量でジインドリルメタンを服用すると、アロマターゼ酵素を誘導し、少量の場合とは逆の作用をしてエストロゲンの合成が増加することが示唆されています。ジインドリルメタンが体内で抗発癌作用を示すことが、アブラナ科の野菜が健康に良いとされる理由の1つです。

ジインドリルメタンは、前立腺癌、前立腺肥大(良性前立腺肥大[BPH])、乳癌、子宮癌、結腸癌(直腸癌)の治療や予防、月経前症候群(PMS)の緩和に使用されていますが、これらの作用を裏付ける科学的なエビデンスは十分ではありません。

適応・効果

適応情報

エビデンス不足

  • 子宮頚部異形成: 初期の研究では、特定のジインドリルメタン製品を12週間服用しても、子宮頚部異形成を患う女性の疾患のマーカーは改善されないことが示唆されています。
  • 前立腺癌:  初期の研究では、特定のジインドリルメタン製剤を28日間服用すると、前立腺癌患者の前立腺癌の進行を測定するマーカーの前立腺特異抗原(PSA)の濃度が低下することが示唆されています。
  • 乳癌の予防:
  • 子宮癌の予防:
  • 大腸癌(結腸癌)の予防:
  • 前立腺肥大症の予防:
  • 月経前症候群: 生理サプリ

副作用

副作用と安全性

ジインドリルメタンは、食品中に含まれる2〜24mgのような量の摂取は安全です。 また、ほとんどの人にとって、薬用効果を期待して服用するような場合でも、600mgのような高用量でなく、短期間であれば安全とされています。 ジインドリルメタン600mgを毎日摂取した一部の人で体内のナトリウム濃度の低下が報告されています。

注意と警告

妊娠と授乳: ジインドリルメタンは、食品中に含まれるような少量の摂取は安全です。 しかし、妊娠中や授乳中の高用量での摂取の安全性については十分に分かっていません。

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子供: ジインドリルメタンは、食品中に含まれるような少量の摂取は安全です。 しかし、子供への高用量での摂取の安全性については十分に分かっていません

乳癌、子宮癌、卵巣癌、子宮内膜症、子宮筋腫などのホルモン感受性症状: ジインドリルメタンはエストロゲンのような作用をする可能性があり、ホルモン感受性症状を悪化させる懸念があります。 これらの症状には、乳癌、子宮癌、卵巣癌、子宮内膜症、子宮筋腫などが含まれます。 一方で、ジインドリルメタンはエストロゲンに対して作用し、ホルモン感受性の癌を抑制する作用を持つ可能性があることも示唆されています。 しかし、安全のため、さらなる研究の成果が出るまでは、ジインドリルメタンを使用しないでください。

注意事項

相互作用

軽度の相互作用

下記の組み合わせに気をつけてください。

  • 肝臓によって変化する薬物(チトクロムP450 1A2(CYP1A2)基質)薬の中には肝臓で変化し分解されるものがあります。ジインドリルメタンは、肝臓で薬を分解する速度を上昇し、薬物療法の有効性が低下する可能性があります。肝臓によって変化する薬には、クロザピン、シクロベンザプリン、フルボキサミン、ハロペリドール、イミプラミン、メキシレチン、オランザピン、ペンタゾシン、プロプラノロール、タクリン、テオフィリン、ジロートン、ゾルミトリプタンなどがあります。

その他の名称

  • DIM、3,3′-ジインドリルメタン

混同しやすいもの

  • インドール-3-カルビノール(前駆体)、 スルフォラファン (ブロッコリーの別の生理活性物質)

注意点

  • ジインドリルメタンは非刺激性です。

良い組み合わせ

  • フェニルイソチオシアネート

確認事項

服用方法

推奨用量、有効量、その他の詳細

約100mgのジインドリルメタン(DIM)の補給は尿中のエストロゲン濃度を改善させられる可能性があることが示唆されています。

科学的根拠・参考文献